2001.10.28
窓を開けると、たんぼが見える。あけっぱなしにした窓からは川からの風が入ってくる。庭の池には、とんぼや虫や鳥がくる。子供の頃、田舎の家に行ったときを思い出すような家をつくりました。
施主さんは目の前に何もない、開放的な敷地を探されました。しかし、藤沢で目の前に何もない所はそうありません。この敷地は目の前の道路の先は市街化調整区域のたんぼです。特別な事情がない限り建物が建つことは余り考えられません。また、たんぼの先は境川、川を渡ると横浜市の市街化調整区域です。考えられる中では、長い間に渡っていまの環境がたもたれそうです。
こんな敷地を生かした家を建てること事になりました。
開放的と言うよりも、開けっ放し。外とつがりを重視したこの家は、風通しを大切にして四方から風が抜けるように工夫しています。平面だけでなく、1階2階での空気の動きにも配慮しています。窓からはたんぼと川を越えてきた自然な風が入ってきます。建築中も思わず、寝ころんで昼寝がしたくなってきます。
冬はダルマストーブで暖房を行います。1階の玄関ホールに置いた灯油のダルマストーブは吹き抜けをから2階迄暖めるように考えました。2階のリビングには囲炉裏。火を眺めながら、知人と飲むお酒は格別でしょう。縁側について確認すること。
断熱材にはセルロースファイバーを吹付けましたので、断熱性に優れた家になっています。断熱性能、それ以上に心までが暖かくなる家になります。暖かさを感じさせる物には、自然素材もあります。床には無垢に杉材、庇はヒバ、浴室の壁と天井はヒノキで仕上げます。それぞれの特徴が優しさを感じさせてくれます。白い珪藻土を外壁と室内にも使用します。室内の珪藻土にはモミガラを混ぜて、アクセントと昔の塗り壁の雰囲気をだします。
この家は周囲の環境とあわせてデザインしています。プランの最初から外構まで考えました。とはいっても今流行りの「ガーデニング」とは違った、ビオトープを意識しました。井戸をつくり、そこから汲み上げた水で池をつくります。緑の多い周辺から、虫達や鳥達がこの池に来てくれると思います。仰々しくない、自然さを考えた低木、中木を配置します。お風呂に入りながらも庭を楽しめるように考えました。井戸の水はトイレや車庫の散水栓へも接続して活用します。
「ピンポン」とチャイムが鳴り、知人が訪れる。引き戸を開けて入る玄関は土間を意識した黒い石貼り。いつか見た事があるような、なつかしいようなそんな田舎風の民家です。